脊髄損傷を乗り越えて自立歩行を実現したスイス人男性がヴェルトクラッセチューリ ッヒ2019の会場を訪問

陸上競技大会ヴェルトクラッセチューリッヒ2019に先駆け、ある特別な瞬間が用意されました。英国人ハードル走レジェンドのコリン・ジャクソン氏と脊髄損傷によるまひを長年抱えるダビド・ムゼーさんが揃ってレッツィグルンド・シュタディオンのフィニッシュラインを “自分たちの足で” 跨いだのです。世界中の人たちと共にWings for Life World Runのサポーターとして活動している彼らは、脊髄損傷の治療法発見を目標にしています。

2019年5月に6回目の開催を迎えたWings for Life World Runは、ムゼーさんが車いすから立ち上がり、ツーク(スイス)のスタートラインを自分の足で越えて390mを歩いたあと “キャッチャーカー” に追い抜かれるという感動的でインスピレーションに満ちた瞬間からスタートしました。毎年開催されているWings for Life World Runでは、車いす利用者を含めたあらゆるレベルのランナーたちが参加し、世界同時ランを楽しんでいます。参加者から集められた参加費と募金の全額は、非営利団体Wings for Life財団が支援する最新の脊髄損傷治療研究(ムゼーさんをはじめとする脊髄損傷を抱える人々に画期的な進展をもたらしたスイスでの治験も含みます)へ寄付されます。

ヴェルトクラッセチューリッヒ2019は、ムゼーさんがスポーツコミュニティを代表するアスリートとして知られるジャクソン氏と出会う素晴らしいチャンスを提供しました。ジャクソン氏は輝かしいキャリアの中で複数の世界記録を打ち立てており、オリンピック銀メダルや世界選手権制覇3回とヨーロッパ選手権12連覇も達成しています。

Wings for Life World Runのインターナショナル・スポーツディレクターを長年務めているジャクソン氏は、トップアスリートたちが優勝を懸けて競い合うことになる、自分にも縁の深い会場のゴールラインを一緒に跨いだムゼーさんとすぐに友情を築きました(1986年、エリートクラスデビュー直後だった当時19歳のジャクソン氏はヴェルトクラッセチューリッヒで金メダルと僅差の銀メダルを獲得しています)。Wings for Life World Runのスポーツ面を体現するジャクソン氏と脊髄損傷を抱えるすべての人に治療法を提供したいという同イベントの希望を体現するムゼーさんのコンビネーションは非常に象徴的でした。

2020年5月3日に開催されるWings for Life World Runに参加して、ジャクソン氏やムゼーさんと一緒にスタートラインに立ちましょう。来年も参加費と募金の全額が脊髄損傷の治療研究支援に充てられます。イベントの詳細・参加方法はwww.wingsforlifeworldrun.comをご覧ください。