1枚の写真が語るストーリー

Wings for Life World Runで撮影された写真の一部は非常に印象的なため世界中でシェアされます。この1枚もそうです。クロアチアの脊髄損傷を抱える人たちの支えになっている素晴らしい女性のストーリーを紹介しましょう。彼女のストーリーは、私たちが走る理由とWings for Life World Runの意義を思い出させてくれます。

この写真に写っている女性の名前はマンダ・クネジェビッチさんです。マンダさんは子供の頃に深刻な脊椎側彎症(せきついそくわんしょう)にかかり、16歳の若さで手術を受けなければなりませんでした。

「麻酔から目が覚めると、沢山の人に囲まれていました。医師たちから『脚を動かして』と言われましたが、動かすことはできませんでした」とマンダさんは回想します。手術が成功しなかった正確な原因は今も明らかになっていません。

リハビリを通じて、彼女は脊髄損傷が原因で絶望に陥っている人の姿を数多く目にしました。「当時のわたしはまだ若かったですが、自分はポジティブで良い人生を送ろうと強く意識しました」と66歳を迎えたマンダさんは回想します。

マンダさんは今も胸から下がまひ状態ですが、事務員として豊富な経験を積んだ彼女はクロアチア対まひ・四肢まひ患者協会(Croatian Association for Paraplegics and Tetraplegics)を立ち上げています。

「脊髄損傷を抱える人たちに情報を提供し、彼らが新しい生き方を見つける手助けをすることが重要だと考えたのです」と語るマンダさんとスタッフは、しばしば事故直後の患者の元も訪ねています。「膀胱・腸・性など、脊髄損傷に関連するすべてには驚くほど大きな個人差があります。この違いが治療の大きな妨げになるのです」

マンダさんは車いす生活を50年続けていますが、彼女は日常生活のほとんどで助けを必要としません。「自分のことは自分でできる状態をなるべく維持したいと思っています。わたしと同じような境遇にある人が社会に上手く溶け込めるようになることと、治療法の早期発見がわたしの願いです」

脊髄損傷の治療研究支援への寄付と脊髄損傷患者の存在のアピールのために、マンダさんはWings for Life World Runに毎年参加しています。「この怪我を長年抱えてきたわたしは両足で床に触れる感覚さえ分かりません。ですが、今も眠っていると自分が歩く夢を見ます。本当に素晴らしい夢なんです」

世界中の脊髄損傷患者のためにマンダさんの夢を現実に近づける助けになりましょう。2020年5月3日に開催されるWings for Life World Runに参加登録しましょう募金も常時受け付けています