プロランニングコーチが教える初心者用アドバイス

adidas Runners Tokyoコーチの湯田友美氏がランニングの効果・始め方・アドバイスなどを教えてくれました。

ランニングの効果

湯田氏はランニングの効果について次のように語っています。

「ランニングに取り組み続けると身体が大きく変化していくはずです。私の場合は、子供の頃は太っていましたが、競技を始めると筋力がつき、 代謝も良くなり、太りにくくなりました。また、産後に体型を戻すのも早かったと思います」

「また、ランニングはストレス発散効果がとても高いと思います。私は、怪我で休んだり、出産前後で走れなかったりしたときに、ストレスの発散方法が分からなくなってしまいました。ですので、走り始めたときは、本当に気持ちよかったですね」

「メンタル面の話を続けましょう。走っていると苦しい瞬間が必ず訪れますが、それを乗り越えることが自信に繋がります。多少嫌なことがあっても “あの苦しさに比べればたいしたことない” と思えるようになるのです。実際に、ランニングを始めてメンタルが強くなったと感じた人をたくさん見てきました。ランニングはフィジカルだけではなくメンタルにも大きな効果があると思います」

心構えと準備

心身への高い効果が期待できるランニングを始めたいと思っても、予備知識がなければ怪我のリスクや途中で行き詰まる可能性も高まります。湯田氏に心構えと準備について教えてもらいましょう。

「まずは完ぺきを求めないことです。あまり心配せず、とにかくシンプルに走ってみましょう。歩くだけでも構いません。外に出て歩くだけでも継続しやすくなります」

「次に、ランニングシューズを用意しましょう。クッション性のあるソールがとても重要です。ランニングシューズは、着地の衝撃をクッションで吸収するように作られています」

「シューズ選びのポイントは、かかとを合わせたときにつま先に1センチの余裕があるサイズを選ぶことです。なぜなら、走ると足のアーチが潰れて足が大きくなりますし、時間を追うごとに足がむくむからです。また、シューズ先端にスペースがあれば、足の指で掴む動きができるので快適に走れます。最初は少し大きく感じるかもしれませんが、靴ひもで調整すれば固定できます」

「女性の場合はクーパー靭帯が伸びてしまうので、スポーツブラもランニングシューズと同じくらい重要ですね」

紫外線対策も重要です。日焼け止め・キャップ・サングラスを用意しましょう。ジムのトレッドミルも良いですが、気温が上がりすぎない春先は景色を楽しみながら走れるので屋外をおすすめしたいです」

「そして水分補給です。私は前後に水などを飲んでいます。ランニング中もこまめの水分補給を心がけてください」

ランニング中の注意点

では、次に実際のランニングに関するアドバイスはどうでしょうか? 湯田氏は次のように回答しています。

「ランニングで常に全力疾走する必要はありません。たとえば、早歩き程度のスピードで走っているマラソンランナーは少なくありません。ですので、最初は早歩き程度で構いませんので “10分歩いて5分走る” を2回繰り返してみましょう。この30分を終えると、ランニングに10分・1km強を費やしたことになります。これはプロの故障明けのメニューと同じです」

「また、走ることで筋肉がつきすぎることを心配している人をたまに見かけますが、レース入賞を狙って走り込まない限り、その心配は必要ありません」

「怪我についてですが、ランニングは常に怪我と向かい合わせです。怪我を乗り越えて強くなっていくスポーツとも言えます。ですので、身体を痛めたときにアドバイスを授けてくれる人や頼りにできる人がいると安心です」

イベントやレースに出場する

湯田氏からの最後のアドバイスは「Wings for Life World Runをはじめとするレースやイベントに出場してみること」です。具体的に話していただきました。

「ランニングを自分なりに継続するためには何かしらの楽しみが必要です。ですので、自分の好きなこととランニングを組み合わせてモチベーションを高めている人はたくさんいます。私の場合は、友人と走るのが好きですね。おしゃべりしながら走ったり、目的地を決めてそこで食事をしたりしています。1日中ウロウロしているときもありますね。そのような楽しみのひとつと言えるのが、Wings for Life World Runをはじめとするイベントやレースへの参加です」

「私の場合は、出産直後にWings for Life World Runが開催された年があり、アプリランイベントの代わりにアプリランで参加しました。友人たちが全員アプリランイベントに参加していたので、電話でやり取りをしながら走ったのですが、離れた場所にいる友人たちと一緒に走れたのがとても楽しかったですね」

「出産直後だったので練習もほとんどできませんでしたが、気持ちよく走ることができました。また、この経験がランニングへのモチベーションを再び高めるきっかけにもなりましたので、ぜひ皆さんにも活用してもらいたいです」

「Wings for Life World Run 2025のレース当日は、イタリアに旅行中なので、現地のアプリランイベントへ参加登録しました。旅先で参加できるのでとても楽しみです。どこからでも参加できるこのイベントの良さをあらためて実感しています」

「チャリティーランイベントですので、走るだけで誰かのためになりますし、皆さんもお祭りに行くような感覚で楽しんでください。自分の世界観が広がると思います」

湯田 友美 氏 プロフィール:

高校時代に中距離選手として国民体育大会やインターハイで活躍後、ワコールの実業団選手としてトラック種目や駅伝を中心に出場。2007年都道府県対抗女子駅伝で“29人ごぼう抜き”の最多記録を達成。翌年にはチームを優勝へと導く。引退後もadidas Runnersのコーチやゲストランナーとして精力的に活動中。

Wings for Life World Run 2025は5月4日午後8時(日本時間)に世界同時スタートします。参加登録はこちら>>